日本は「戦争」すると思いますか?

戦争・軍事と日本の距離をニュースウォッチしています。

シールアンケート1~17回まとめ

質問:日本は「戦争」(海外での武力行使)すると思いますか?

実施回数:17回(街頭:12/デモ・集会など:5)
回答数:169名(デモ・アピール参加者:93/通行している人:76)
 
NO:33
YES:128
   1年以内:32
   5年以内:75
   6年以上先:17
   年限はわからない:4
その他:5
不明:1
 
どこと/どこで?
中東(IS含む):61
イラン:2
 
中国:34
韓国:5
東アジア:2
 
フィリピン:1
 
ロシア:1
 
アフリカ:6
 
どこでも:4
アメリカのやるところ:2
アメリカ:2
 
内戦(沖縄):1
 
補足・取材者の印象
・ISによる日本人人質事件が起きた2015年1月からはじめたため、中東、ISという回答が圧倒的に多い。「ISなどのテロ組織」という答えも含む。中東圏の具体的な国名が上がることは少ない。「アメリカのやるところ。中東のどこか」という回答も「中東」とした(別項「アメリカのやるところ」は、中東と特定せず「どこでも行く」に近い回答)。政府が集団的自衛権の行使例としてこだわる「ホルムズ海峡(イランとオマーンの領海)」という回答はゼロ。
・当初はデモ参加者からは中東が多く、アジア圏は街の人から多いという傾向であった。しかし中国による南シナ海の岩礁埋め立てが連日報道される時期から、中国が伸びる。だが、インタビューしていくと「尖閣」という意見が多数を占め、南シナ海まで日本が出向くと考える人は少ない。
・中国に関しては、他の国・地域を回答した人が、インタビューで「中国とはない」という意見を述べるケースが多い。「アメリカが望まない」「中国は経済大国だから」「日本と経済的関係が深い」など。
・韓国・北朝鮮は両者を区別しない意見もある。韓国については街の人から「韓国が攻めてくる」という意見が出ることもある。いわゆる朝鮮有事(韓国と北朝鮮の交戦)を想定し、日本が集団的自衛権によって参戦する、という意見はゼロ。
スウェーデンは8才の男の子の意見。
・アフリカ圏の回答は少ないが、インタビューではアメリカ追随以外の資源争奪などのイメージを持っている。現在自衛隊が展開している南スーダンジブチという具体名はあがらなかった。「アフリカや中東」という言い方をする人も。中南米も「アフリカか中南米」という回答。
・アメリカといっしょにやる、という見方は、デモ参加者・街の人ともに圧倒的に多い。
・NOでは、政府のいう「集団的自衛権によって我が国が戦争に巻き込まれるおそれはますますなくなってゆく」と回答した人はゼロ。デモ参加者からは「やらせない」の発言が多い。
 
ご協力いただいた皆様、ありがとうございます。
取材者1名で運営しているため、票数は少ないと思っていたのですが、集計してみると実に多くの方からご意見をいただいていたことがわかりました。皆様のご意見は、取材者にとっても参考となり、励みとなっています。また本サイトをごらんいただいた方にとっても、いろいろな人の意見を読むことが、平和といわれる日本において、戦争の具体的イメージを考えるよすがとなれば幸いです。
 
参考:今週のおもなできごと(2015.6.20-7.3)
・安倍首相は「戦後70年談話」を閣議決定せず、首相のみの決裁にもとづき、また8月15日を避け、8月上旬に発表することとした。
・23日沖縄戦の「全戦没者慰霊式典」が那覇で開かれた。翁長県知事は「平和宣言」のうち、多くのボリュームを辺野古新基地建設への反対に割き、参加者からは拍手と指笛が起こった。安部首相は「沖縄の振興を私が進める」とし、「基地負担は永きに渡り安全保障の大きな負担を担っていただいている」と演説。「戦争屋、帰れ」とヤジも飛んだ。
広島市は今年8月6日の平和式典で発表される「平和宣言」で、安保法案には触れない方針を決定。
 
通常国会が9月27日まで異例の延長となることが自民・公明の賛成で決定。安全保障法案の通過が目指されている。
朝日新聞の6月の調査で、内閣の支持率が前月から45%→39%と急減。
・25日に予定されていた自民党内のリベラル派若手議員の勉強会「分厚い保守政治の会」が中止命令を出される。安保法制の審議中は行わないように、との党執行部の要請について、講師として予定されていた漫画家の小林よしのり氏は「自民党全体主義」とコメント。
・25日、自民党の安倍首相を支える若手議員の勉強会「文化芸術懇話会」で、講師の百田尚樹氏が「沖縄のふたつの地方紙はつぶさなあかん」などと発言。参加議員も経団連に頼んで、「悪影響のあるメディアのスポンサーを降りる」など、報道統制ととられる発言をしていた。国会でもこの問題は野党からの強い批判を受け、主催の木原議員は青年局長から更迭された。
 
海上自衛隊は23日南シナ海スプラトリー岩礁近くでフィリピン軍と初の共同訓練。P3C一機に日本14人、フィリピン3人が搭乗しての「漁船捜索」の訓練。
・24日海上自衛隊は硫黄島でダイバーによる機雷爆破訓練を行った。
 
北朝鮮は日本が要求していた日本人拉致被害者に関する包括的調査の報告延期を伝えた。北朝鮮は昨年7月に特別調査委員会を立ち上げ「1年程度を目標」としていた。具体的な延長日程は伝えられていない。
 
・22日韓国の尹外相が来日。日韓首脳会談を「適切な時期に」と確認。NHKのインタビューでは「慰安婦問題は今後の協議で解決できれば最終決着となるだろう」と発言した。また、日本の世界遺産候補である「明治近代産業遺産」に対する異議は、炭鉱などへの植民地下朝鮮からの強制連行による「徴用工」の記述を加えることで、異議を取り下げることをにおわせた。
・21日、22日東京とソウルで、安倍首相、朴大統領がそれぞれ出席しての日韓国交正常化50周年式典が別々に行われる。
 
・22~23日ワシントンで米中の閣僚級会議。「戦略安全対話」「戦略経済対話」が行われ、中国側は「中国は国際秩序の参加者であり、世界の課題に米国とともに取り組む」と表明した。
・中国は9月3日に行う「中国人民抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70周年」式典を正式発表。「軍の現代化の成果を示す」パレードを行うとした。
 
・アメリカはロシア近隣のバルト三国ポーランドルーマニアブルガリアに戦車など250両を配備する計画を発表。ロシアのウクライナ侵攻と軍事的プレゼンスの高まりに対応するもの。
・24日NATOの国防相会合が開かれ、ロシアに対抗するため、前線で展開できる即応部隊を13000人から40000人に増員することが決定。ポーランドなど、ロシア近隣の6ケ国に、計画立案や訓練を行う40人規模の前線拠点を置くことも決定した。
 
ウィキリークスがアメリカNSA(国家安全保障局)が06~12年、フランスの三代の大統領(シラクサルコジ・オランド)の携帯を盗聴していたことをリーク。NSAメルケルドイツ首相の携帯を盗聴していたことも暴かれている。
・アメリカ・オバマ大統領はキューバとの国交回復を正式に発表。7月20日を目処に両国の大使館を再開するとした。キューバ側は同国東部にある、米軍が海外の捕虜などを収容しているグアンタナモ基地を返還することを要求しているが、アメリカは「返還の予定も計画もない」としている。
・アメリカはテロ対策において、人質事件が発生した場合、人質の家族などが身代金を払うことを容認する方針。政府、家族が犯人との接触をする可能性も否定せず。「テロ組織に一切の譲歩はしない」から緩和された。
 
国連シリア人権監視団が、5月中旬からISが進撃している都市パルミラで、世界遺産パルミラ遺跡に地雷を設置したと発表。
・シリア北部の街アインアイーサを、クルド人武装勢力民主統一党/人民防衛隊」がISから奪還。近郊のシリア軍基地も支配下に置いた模様。
・25日ISはシリアの都市アインアルアラブ(コバニ)に再侵攻し、戦闘で少なくとも55人が死亡。クルド人にとって重要なコバニは、人民防衛隊が奪還していたが、ふたたびISの支配下になる可能性。
 
・ISは6月30日「イスラエルパレスチナガザ地区を支配するハマスヨルダン川西岸地区のパレスチナ自治政府ファタハのすべてを撲滅する」と、ネットで表明した。
・エジプト・シナイ半島のISに忠誠を誓う武装勢力「シナイ州のIS」が、イスラエル/パレスチナガザ地区との国境のラファ検問所などを襲撃。エジプト軍はF16戦闘機などで応戦し、武装勢力側に少なくとも200人、軍にも50人以上の死者が出たとされる。イスラエルは「シナイ州のIS」の背後にはハマスがいると表明している。
・エジプトでは6月29日に検事総長が暗殺され、7月1日にはムルシ前大統領(死刑求刑)の支持基盤であるムスリム同胞団の弁護士ら9人が治安当局に殺害される事件があった。現政権は「シナイ州のIS」を含めたシナイ半島の反政府勢力はムスリム同胞団ハマスが支援していると見ている。
・3日「シナイ州のIS」は国境付近からイスラエルに向けてロケット弾3発を発射。
・フランスのファビウス外相イスラエルパレスチナ双方の首脳と会談。中東和平交渉の早期再開をうながす。パレスチナアッバス議長は意見を支持したが、イスラエル・ネタニヤフ首相は「外部から課せられる国連決議案は和平を生まない」と反発。
 
・22日アフガニスタンの首都カブールでタリバーンが開会中の議会を襲撃。治安部隊と2時間の撃ち合いとなり、犯人6人が射殺された。5月からカブールでは少なくとも6件のテロが発生。
ソマリアで過激派アル・シャバブアフリカ連合の平和維持部隊の基地を制圧し、武器を押収したと発表。死者は50人以上。
 
・26日チュニジアのリゾート地スースの高級ホテルで銃乱射テロ。39人が死亡。ISが犯行声明。
・26日クウェートシーア派モスクで自爆テロ。27人が死亡。ISが犯行声明。
・26日フランス、リヨン近郊のガス工場で車が突入するテロ。工場のフェンスには切断された頭部の横にIS系の過激派の旗が下げられていた。国内に住む過激思想で監視対象となっていた男1名が逮捕される。
 
ハンガリーは中東・アフリカからの難民が陸路で入国するルートを阻止するため、南側の隣国セルビアとの175キロメートルの国境線に高さ4mのフェンスを設置する計画。EU、国連が批難している。
 
国連PKOが活動中に行った犯罪行為の内部監査結果を発表。08-13年に支援物資と引き換えに性的搾取が行われたケースが、ハイチ、南スーダンリベリア、コンゴなどで480件。ハイチがもっとも多く、231人の現地住民(子ども、少年を含む)に対して、隊員が物資の見返りとして性交渉を要求。こうしたケースが常態化している。南スーダンPKOには日本の自衛隊も参加している。
中央アフリカでは、路上生活の子どもに対する性的虐待も発覚している。