日本は「戦争」すると思いますか?

戦争・軍事と日本の距離をニュースウォッチしています。

今週のおもなできごと(5.9-5.26)

おわびとお知らせ:
「日本は戦争すると思いますか?」のシールアンケートの結果まとめとして運営している本サイトですが、取材者の都合により、これまでの1~2週に一回ペースでのアンケート採取ができなくなりました。アンケート結果の掲載はしばらくお休みしますが、今後も随時アンケートは行う予定ですので、その際の参考のため、日本と世界のニュースのまとめだけは定期的にアップしていきます(1~2週間に一回程度)。
 
参考:今週のおもなできごと(5.9-5.26)
[オバマ大統領の動向/核軍縮]
・10日オバマ米大統領がサミット後の27日に広島訪問を決定。現職アメリカ大統領としては初。「核なき世界」を訴えるメッセージを発信し、日米同盟の強化を伝えるものとされる。
・12日韓国の原爆被害者境界がオバマ氏の訪問にあわせ、広島に代表団を送る方針。韓国人の原爆犠牲者は広島で5万人、長崎で2万人。オバマ氏に韓国人慰霊碑も訪問するよう求める。
・アメリカの元日本軍捕虜の団体は、ホワイトハウスから、広島訪問に同行できる元捕虜を要請されたとして、フィリピンで捕虜になり、足尾銅山で強制労働させられていた93歳男性の同行を決めた。アメリカ国内では原爆投下は戦争の早期終結で犠牲者を減らしたとして、原爆を評価する意見が根強く、元捕虜団体もこの立場を取っている。最終的には訪問は中止となった。
・13日スイス・ジュネーブでの国連軍縮部会が閉幕。メキシコなど100ヶ国以上が求める核兵器の法的禁止へ向けた取り組みは、日本や東欧NATO国などの反対で進展せず。日本は米国の「核の傘」を考慮し、徐々に削減する「進歩的アプローチ」を支持している。
 
・11日、2月に丸山和也参議院議員(自民)が国会で「アメリカは黒人が大統領になっている。これは奴隷ですよ」と言った発言を憲法審査会が議事録から削除。
・24日衆議院ヘイトスピーチ法案が可決。ヘイトスピーチを「適法に居住する外国人を排除する言動」と定義。韓国大使館や在日韓国人団体からは一定の評価。一方、対象の範囲が狭い、罰則がない、拡大解釈の余地がある、などの疑問もあがり、人権団体からは「最初の一歩にすぎない」「人種差別を容認しないというメッセージが伝わらない」との声も。
 
・23日オバマ大統領がベトナムを訪問し、フック議長と会談。ベトナム戦争以来の武器禁輸措置を全面的に解除。「包括的パートナーシップ」関係を提唱した。ベトナムでは戦争時の米軍による枯葉剤散布が現世代にも深刻な健康被害を引き起こしているが、アメリカ側は因果関係を認めていない。オバマ氏は謝罪することなく、土壌の除染支援を継続することを表明。
 
[沖縄]
・19日沖縄で20歳の女性が行方不明になっている事件で、県警は米国籍の元海兵隊員・軍属の男を死体遺棄容疑で逮捕。男は女性を性的暴行の上刺殺し、死体遺棄をしたことを認めた。
・24日沖縄の10市議会が抗議決議を可決。
・島尻沖縄相と自民党沖縄県連が1960年締結の日米地位協定の見直し・改正を求める方針表明。翁長知事は地位協定の抜本的見直しを求める抗議文などを外務省に届けた。以前には類似の事件が発生した際、犯人が米軍基地内に逃げ込んだため、地位協定によって日本の警察への身柄の引渡しがなされなかった。
・26日沖縄県議会が「在沖縄海兵隊の撤退」を要求する意見書を全会一致で可決。
 
[国内]
・10日安保法は違憲であるとの立場で活動を続ける憲法学者小林節氏が参議院選挙に向けて、政治団体「国民怒りの声」を立ち上げ。自らも含め、10人以上の候補を擁立する方針。当初は野党の統一名簿を提案していたが、民進党が消極的だったため、としている。
・18日党首討論民進党・岡田代表は憲法改正について、野党も草案を出すべきとの安倍首相の発言に対し「今のままでいい、9条を変える必要はない。草案は出さない」と強く反論。安倍首相は「自民党改憲草案では平和主義が貫かれていると思う」「改憲をしないで、そのために日米関係が悪くなってもいいのか」と反論。
 
・6月のハワイ沖で行われる合同演習リムパックで日米韓が合同でのMD(ミサイル防衛訓練)を行うことが決定される。
・11日日本政府は、北朝鮮の党大会終了にともない、弾道ミサイル発射に備えた「破壊措置命令」を解除。首都圏に運ばれていたPAC3を撤収した。
 
・政府はシリア難民を留学生として受け入れる方針を発表。17年から5年で最大150人の予定。一般的な難民受け入れではないが、政策的にシリア難民を受け入れるのは、今回が初めて。
 
・21日南スーダンPKOの第10次部隊が出発に向けて壮行会。陸自北部方面隊350人の編成。安保法で加えられた「駆けつけ警護」の任務は、今回は見送られる。
・24日北海道の然別陸上自衛隊演習場で、北部方面後方支援隊が演習中に実弾誤射。2名が負傷。30人が敵味方に分かれて行っていた訓練で、空砲使用のはずが9人に79発の実弾が誤って配給されたため。
 
・10日アメリカ海軍のイージス艦南シナ海のスプラトリー礁を航行。「航行の自由」作戦によるもので、3回目の実施。
・17日南シナ海の国際空域で、中国軍機2機が監視中の米軍偵察機に急接近。米国は非難。
・14日ベトナムのフック首相は会見で、サミットに向けて「日本は地域の大国として、南シナ海の平和的解決に向けて積極的な役割を果たしてほしい」と発言。
 
・23日台湾行政院は「海洋協力対話」を立ち上げ。2月に台湾漁船が沖ノ鳥島海域での無許可操業により、日本の海上保安庁に逮捕された事態について、馬前総統が、「沖ノ鳥島は岩」として、日本の排他的経済水域を否定。蔡新政権はそれを継承しない方針。同海域から海岸巡防署の巡視艇を引き上げた。
 
・9日ロシアで、旧ソ連ナチスドイツに対する戦勝記念日。「平和は自然に達成されるものではない」とプーチン大統領は演説。また、昨年の演説で「日本の軍国主義」に触れたが、今年はなかった。
・20日プーチン大統領は会見で、「日露平和条約の交渉において、北方領土についてもはなしあう」と明言。
 
[イラク/シリア/IS]
・11日イラクバグダッドで3ヶ所の自爆テロ、合計93人以上が死亡。爆発は市街地で起こり、美・理容店の前で起きた爆発では結婚式の準備中の新郎新婦が多数犠牲になった。ISが犯行声明。
・17日バグダッドで4ヶ所のテロ。72人以上が死亡。市場でのテロは自爆ベルトを用いた女性の実行犯とされる。ISが犯行声明。
・20日イラクの政治腐敗を糾弾するサドル師支持派のデモ隊が国際警備区域(グリーンゾーン)に突入し、庁舎に乱入。治安部隊が実弾使用し、死者も出ている。
 
・14日シリア東部デリゾールでアサド政権が運営している病院をISが襲撃。戦闘になり、警備の兵士20人、IS側6人が死亡。
・23日シリアの地中海沿岸のジャブラとタルトスでバスターミナルなどの複数の場所で爆破テロ。140人以上が死亡。この地域はアサド政権の支持者が多く、政府軍・ロシア軍の基地があり、治安が「比較的良好」とされていた。ISが犯行声明。ISは支配地域を政権軍などに奪還されて、後退しており、領域の維持よりも政権側の地域におけるテロに重心を移す傾向にある。
 
・16日リビアの統一政府樹立を支援するため、20ヶ国以上の関係国がウィーンで外相級会合。リビアでは東西に分裂していたふたつの勢力が、暫定政権の樹立で合意をしており、関係国はこの暫定政府に対し、対ISでの軍事支援として武器供与や訓練などを行う方針。
 
[海外]
・18日ナイジェリア、2014年にボコ・ハラムにより女子学生200人以上が誘拐されたうち、1人が保護された。監禁中に出産したと思われる乳児をともなっていた。
・16日アルメニアアゼルバイジャンの停戦遵守のため、ウィーンで両国大統領が会談。今年4月にアルメニアが実効支配しているナゴルノ・カラバフ自治州で、94年の停戦合意を破る武力衝突が発生。その後も散発的に戦闘が続いている。
・19日パリ発カイロ行きのエジプト機がギリシア上空で消息を絶つ。エジプト当局がテロの可能性高いと判断。
・20日イスラエルのヤアロン国防相が辞意。ネタニヤフ首相が、連立を組む極右「イスラエル我が家」のリーベルマン元外相に、国防相の地位を打診したため、首相への信頼を失った、としている。
・21日アメリカはアフガニスタンタリバーンの最高指導者マンスール氏を空爆で殺害したと発表。タリバーンの和平交渉への参加を阻み、妨げとなっていたため、としている。25日タリバーンマンスール氏の死亡を認め、後継にアリンザダ幹部が昇格。アリンザダ氏は和平協議を拒む守旧派で、交渉にタリバーン側が態度を硬化させたとみられる。
・23日ローマ法王スンニ派の最高指導者タイイブ総長(エジプト)とバチカンで会談。
 
[極右政治家]
・9日オーストリアのファイマン首相(中道左派)が辞意。当初難民受け入れに反対していたが、難民排斥を主張する右翼の躍進を受けて、受け入れ抑制に転向したが、支持が得られなかったことが大きな要因とされる。公認には与党から、国営鉄道社長のケルン氏が就任。
・10日フィリピン大統領選挙でドゥテルテ氏が勝利。米大統領選のトランプ氏と共通するともいわれる過激な発言が目立ち、「南シナ海の中国の人工島に水上バイクで行き、旗を立てる」などと言う一方、「中国と対話する」との発言も。
・17日アメリカ・共和党の大統領候補のトランプ氏は、インタビューで「金正恩と会談をしたい」「ロシアのウクライナ軍事介入を支持しない」と発言。
・23日オーストリア大統領選。EU協調派の左翼・緑の党ファンダーベレン氏が当選。反移民をかかげる極右の自由党が大幅に躍進し、50.35対49.65ポイントと、辛勝であった。