日本は「戦争」すると思いますか?

戦争・軍事と日本の距離をニュースウォッチしています。

今週のおもなできごと(5.25-6.10)

おわびとお知らせ:
「日本は戦争すると思いますか?」のシールアンケートの結果まとめとして運営している本サイトですが、取材者の都合により、これまでの1~2週に一回ペースでのアンケート採取ができなくなりました。アンケート結果の掲載はしばらくお休みしますが、今後も随時アンケートは行う予定ですので、その際の参考のため、日本と世界のニュースのまとめだけは定期的にアップしていきます(1~2週間に一回程度)。
 
参考:今週のおもなできごと(5.25-6.10)
 
[日本]
・26~27日日本をホスト国とするG7首脳会談伊勢志摩サミット。政治・外交についての対話では、安倍首相が中国を念頭に東シナ海南シナ海の安全保障を議題に。
・サミット宣言は外交面では「テロ・暴力的過激主義対策の行動計画」で合意、難民問題には根本的原因に対処する長期的戦略でのぞむ。北朝鮮の核・ミサイル開発に対してもっとも強い非難、ロシアのクリミア統合に対して非難を表明。東シナ海南シナ海の問題については「懸念」の表現にとどまった。核軍縮については「核のない世界に向けた環境を醸成する」として、従来より踏み込んだ表現はなかった。
・27日オバマ大統領が広島訪問。平和記念公園で被爆者と直接対面、17分のメッセージを語った。核軍縮については具体策は語らず。
・サミット拡大会合で安倍首相はスリランカベトナム、チャドなど6ヶ国首脳と会談。中国を牽制するうごきでの協調をはかった。ベトナムに対しては防衛装備の輸出を進める方針で、新造船2隻、中古2隻の巡視船供与を決めている。
 
・25日から日米韓など6ヶ国が韓国をホスト国として潜水艦救出訓練の合同演習。韓国海軍の揚陸艦「独島(竹島の韓国名)」を使用する予定が、海自が難色を示したため、使用艦を変更。また、24日には自衛隊の救難艦が旭日旗を揚げて韓国に入港し、反発を呼んだ。
・26日日本学術会議は軍事研究のあり方を見直す「安全保障と学術に関する検討委員会」を設置。これまでは「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない」としてきたが、現在の技術が軍事と民生の両用に使われる(デュアルユース)の傾向にあるため、線引きが難しくなったとしている。
・在日アメリカ海軍は厚木基地の空母艦載部隊の拠点を、現在の大島-厚木間から、2017年に岩国に移転を計画。現在はCQといわれる着艦資格取得訓練が実施されている。
・30日ヌスラ戦線に拘束されているとして身代金要求の映像が流された日本人フリージャーナリストの新たな画像がネット上に投降される。「助けてください。これが最後のチャンスです」という文章と名前を日本語で書いた紙を持っている。身代金要求額は1000万ドルとされ、期限を切って、支払われない場合にはISに身柄を売り渡すのではないかと言われている。
 
・5月22日~6月4日モンゴルで中韓チェコなど13ヶ国が集まってのPKO訓練が実施。青森の陸上自衛隊40人が参加し、パトロール訓練などを行った。安全保障法制で可能となった駆けつけ警護、ゲリラの包囲・探索、暴動対処、国連施設の警備などの訓練には、今回は参加を見送り、小隊長らが見学するにとどめた。
 
[シリア/トルコ/IS]
・25日AFPが配信した写真で、シリアで行動中の米軍特殊部隊兵士が人民防衛隊(YPG)の記章をつけていたことで、トルコが「容認できない」と強く抗議。YPGはシリアのクルド人の武装組織。アメリカの支援を受けてISと戦う武装組織連合のSDF(シリア民主軍)による、ラッカ奪還作戦の主力となっている。トルコ国内のクルド人組織PKKの兄弟組織であるとされ、トルコはPKKをテロ指定している。
・30日シリア北部イドリブ県で空爆。市民23人以上が死亡。ロシア軍は関与を否定。
・4日アサド政権軍が2014年陥落以来はじめてラッカに進軍。SDFが単独での奪還を進めることに対抗した動き。
・7日トルコ・イスタンブールで警察車両を爆破するテロ。民間人を含む11人が死亡。警察はクルド人政党PKKの犯行と発表。後日、別のクルド人組織TAKが犯行を認める声明。
・8日トルコ南東のシリア国境付近の町で警察本部近くで自動車爆弾によるテロ。3人が死亡。警察はPKKの犯行と発表。
 
[海外]
・29日天安門事件27周年のデモが香港で行われる。参加者は昨年から半減し1500人。香港の占拠が中国の指定した候補者であることに反対してはじまった学生運動である「雨傘革命」の団体が参加をとりやめ。香港の民主化運動は、中国本土の民主化よりも香港独立を主張する傾向が強まっている。
・31日北朝鮮の外交の統括責任者である労働党副委員長が北京を訪問し、中国の党幹部と会談。核実験などで悪化している両国関係の回復をめざしていると思われる。
・4日韓国外相がキューバを初訪問。アメリカとの国交正常化を受け、キューバと国交のある北朝鮮を牽制する狙いか。
・6日国際原子力機関IAEA北朝鮮寧辺の核施設でプルトニウム生産を再開したと発表。
 
・1日アメリカ軍がアフリカ東部ソマリアで武装組織シャバブに対して空爆。幹部殺害を目的としたとされる。
・27日地中海リビア沖でイタリアに向かう難民を乗せたゴムボートが転覆。45人以上が死亡。
・2~3日にかけ、リビア北西部の海岸に117人の難民と思われる遺体が漂着。アフリカ系出身者が多数を占めていた。
 
・30日イスラエルで極右政党「イスラエル我が家」のリーベルマン氏が国防相に就任し、連立政権に参加。
・3日フランスで米中など20ヶ国の外相が「パレスチナ和平交渉再開のための会議」開催。当事国は招かず。パレスチナは歓迎の意向だが、現在の和平交渉の内容に反対しているイスラエルは強い反発を表明。
 
・3~7日シャングリラ・ダイアローグ(アジア安全保障会議)がシンガポールで開催。アメリカ・カーター国防長官は中国の南シナ海軍事拠点化について「懸念がもっとも高まっている」「中国は自国を孤立させる万里の長城を築いている」と表現。爆撃機や無人潜水艇を派遣したり、日韓などと合同演習・パトロールをおこなっていく計画を示し、「航行の自由・飛行の自由」を主張した。中国は「海洋権益を守る」として、両者は対立のまま閉幕。
・韓国は対北朝鮮で米国と共同で進めているTHAAD(地対空高高度迎撃ミサイル)の配備計画については議題にしない方針。THAAD配備には、自国が射程圏に入るため、中国が強い反対を示しており、シャングリラ・ダイアローグでも強く批判した。
 
・3日中谷防衛相はシンガポールでインド国防相と会談。インドとアメリカの海上演習「マラバール」を6月10~17日の日程で東シナ海で開催し、海上自衛隊が参加することを決定。中国軍幹部とは立ち話をし、握手を交わした。
 
・2日中国が東シナ海日中中間線(境界が未確定の海域)付近で進めているガス田開発施設の2基に新たに掘削やぐらが完成していることが確認され、外務省は中国大使館を通じて抗議した。
・7日中国軍戦闘機が東シナ海での米軍偵察機に接近し、飛行妨害。
・8日中国は南シナ海の軍事拠点化が「国際法違反である」として常設仲裁裁判所に提訴しているフィリピンに対し、「一方的で話し合いで解決するという合意に反している」と、提訴取り下げを要求。
・8日南シナ海スプラトリー海礁で中国が築いている人工島に、機関砲・レーダーアンテナと見られるものが確認された。ベトナム紙が報じた。
・8日ロシアの駆逐艦3隻が東シナ海尖閣諸島の接続水域(日本の領海12カイリの外12カイリ)を航行。「ロシアは領有を主張していない」として、日本は抗議せず。
・9日深夜中国フリゲート艦が同海域を航行。外務省が大使館を通じて抗議し、2時間半程度で退去。ロシア軍の航行との関係は不明。
・10日朝鮮半島西部の漢江河口域(南北の中立水域)で違法操業している中国漁船を韓国軍の高速艇が拿捕。