2022年3月
[ロシア/ウクライナ]
・3日ウクライナ南部ヘルソンが陥落。大都市が陥落するのは初。
・3日3回目の停戦協議がはじまる。南東部マリウポリに人道回廊(攻撃されない脱出ルート)設置で協議。ウクライナは総動員法が発令されており、18-60歳男性は召集対象であり、出国は不可。5、6日マリウポリに砲撃。
・9日ロシア侵攻直後の2月25日に占領されたチェルノブイリ原子力発電所の電力が途絶。
・10日ロシア・ウクライナ外相会談。トルコが仲介。
・11日南部メリトポリの市長がロシア軍により拘束され、市長代行が指名される。市は3月初旬に制圧されている。ドニプロルドネ市でも市長が拘束。
・11日中国全人代が閉会。ロシアに対しての制裁反対を表明。
・13日西部リビウの「国際平和維持安全保障センター」に30発以上のミサイルによる攻撃。同センターは米軍を講師とし、NATOとの合同演習などを行う軍事訓練施設。
・14日オンラインでの停戦協議はじまる。
・14日フランスが熱感知カメラや赤外線センサーなどを2年前までロシアに輸出していたことが国内メディアによって報道される。14年からEUはロシアへの武器輸出を禁止している。
・16日国際司法裁判所がロシアに対し軍事行動停止命令。
・16日ゼレンスキー大統領が米議会でオンライン演説。ロシアによる侵攻を真珠湾攻撃、911テロになぞらえる。バイデン大統領はプーチン氏を「戦争犯罪人」と呼び、ウクライナに対して携帯ミサイル・ジャベリン2000基、地対空ミサイルスティンガー800基、無人機100機の提供を申し出る。
・18日米中首脳会談がオンラインで開かれる。バイデン大統領は「対ロシア支援なら代償をともなう」と警告。習主席は「危機は見たくない。世界平和へ努力」と応じる。
・18日リビウの空港にミサイル攻撃。
・24日東部ルガンスクにミサイルと空爆による攻撃。
・24日国連総会で「ロシアの敵対行為」を批難する人道決議案が140ヶ国の賛成で採決。
・26日欧州歴訪したバイデン大統領がポーランドで締めくくり演説。プーチン大統領を独裁者と呼び「この男が権力の座にとどまり続けてはいけない」と発言。ロシアは内政干渉であると反発。ホワイトハウスが「大統領個人の発言」と訂正。
・29日トルコ・イスタンブールで停戦協議。ウクライナ側はクリミアの地位を15年かけて協議する、東部地域については大統領間で交渉することを提案。「中立化」についての国民投票の用意もあるとした。ロシアはキエフに対する攻撃を緩めることを約束。
[日本/ロシア/ウクライナ]
・9日ロシアが北方領土に進出した企業を優遇する「特区」を設定。
・10日ユニクロがロシアでの営業を一時停止。ロシア軍が侵攻を開始した翌日の2月25日にモスクワに50店舗目をオープンさせていた。ロシアで活動する日本企業は168社。事業停止や中止を決めたのは2割程度。
・21日ロシア外務省が日本との平和条約交渉を継続しないと宣言。「我が国に損害をもたらそうとするあからさまな立場である」と日本を批判。
・23日ウクライナ・ゼレンスキー大統領が国会でオンライン演説。「アジアのリーダーシップをとり、侵略者に対する強いメッセージを発してほしい」などと語るが、他国でおこなったようなその国の戦争被害に触れるようなエピソードはなく、広島・長崎への言及はなし。北方領土についても触れず。チェルノブイリについて訴えるが、福島原発事故については語らず。れいわ新選組以外の全議員がスタンディング・オベーション。
・25日ロシア軍が3000人規模で北方領土で演習。
[国内]
・26日岸田首相とエマニュエル駐日アメリカ大使が広島訪問。
・30日衆議院外務委員会で共産党が自衛隊が「反戦デモ」を戦いの対象としていたことを指摘。20年2月におこなった記者向け勉強会の資料で「新たな戦いの様相」として、テロ、サイバー攻撃、反戦デモが「グレーゾーン事態」として上げられ、記者から不適切と指摘されたため資料を回収し、「暴徒化したデモ」に訂正。元文書は廃棄されていた。
[東アジア]
・25日インドで中印外相会談。両国は20年に国境警備隊同士が衝突。ロシアに対しては「即時停戦を外交で求める」ことで一致。
・27日エルサルバドルで犯罪組織による殺人が急増したため30日間の非常事態宣言発令。26日いちにちで62人が殺害される。
・28日米予算教書を議会提出、国防費が8133億ドル(100兆円)前年4%増で過去最多に。
・24日旧ソ連南カフカスに位置するアゼルバイジャンがアルメニアとの紛争地域であるナゴルノ・カラバフに侵入、戦略要衝のファルーフを制圧。28日アルメニアは駐留するロシアの平和維持部隊に対し、具体的な策を摂るよう要請するが、ロシアは「アゼルバイジャン軍は引き上げた」としている。31日プーチン大統領が両国の首脳と電話会談し、停戦を協議。ナゴルノ・カラバフでは2020年に戦闘が激化し、停戦後ロシアの平和維持部隊が2000人規模で駐留している。