日本は「戦争」すると思いますか?

戦争・軍事と日本の距離をニュースウォッチしています。

今週のおもなできごと(2015.8.30-9.14)3:その他国際情勢

 

安全保障関連法案・参議院審議日程(予定)と国会抗議行動スケジュール(改)
 
与党は参議院特別委員会の最終答弁を宣言し、その後強行採決の計画。9月18日にも参議院本会議で採決の意向。野党は特別委員会を開催させず、衆議院で内閣不信任案、参議院で問責決議を提出する見通し(安保法案より先に審議される)。参議院で採決不能の場合、与党はいったん否定した60日ルール(参議院で60日以内に議決されなかった法案は、衆議院で再議決し、2/3以上の賛成で成立となる)を使う可能性も。通常国会は27日まで。
 
(国会周辺抗議行動/連日)
正門前:9:00~座り込み/18:30~抗議集会(19:30か20:00ごろまでは総がかり行動呼びかけ、その後はSEALDs主催)。
その他国会裏の議員会館前での抗議集会、国会前庭北側の憲政記念館前での座り込み(徹夜)など、国会周囲ではさまざまな抗議が行われています。
*国会周辺の地下鉄駅は大変な混雑が予想されます。また、トイレ・コンビニ・自販機などが少ないため、参加される方は事前に対策をしてください。
 
おわびとお知らせ:
「日本は戦争すると思いますか?」のシールアンケートの結果まとめとして運営している本サイトですが、取材者の都合により、これまでの1~2週に一回ペースでのアンケート採取ができなくなりました。アンケート結果の掲載はしばらくお休みしますが、今後も随時アンケートは行う予定ですので、その際の参考のため、日本と世界のニュースのまとめだけは定期的にアップしていきます(1~2週間に一回程度)。
 
参考:今週のおもなできごと(2015.8.30-9.14)3:その他国際情勢
 
[ヨーロッパ難民問題]
 
・2日トルコ海岸にギリシアへの密航ボートが転覆して溺死した3歳の男の子の遺体が漂着。この写真が欧米の各紙に掲載されたことで、世論が難民保護を強く求めるようになる。
 
・ギリシアからセルビアを経由してハンガリーに難民が多数到着。ハンガリーセルビア国境に有刺鉄線のフェンスを敷いて、難民に対して強硬な姿勢を取っている。難民らは1日ブダペスト駅からオーストリア・ドイツを目指そうとしたが、警察が駅を封鎖して排除。3000人以上が駅の外で待機する。3日朝に駅は開放されたが、今度はすべての西方面の国際列車を運行停止。4日になってハンガリー政府はバスによるオーストリア国境までの運行を開始した。オーストリアは5日難民の入国を認めた。
ハンガリーで極右政党ヨッピクに近いインターネットテレビ局の女性カメラマンが、警察に追われて走る難民を撮影中に、男性を足でひっかけて転倒させ、女児を蹴るなどの暴行をはたらいていたことが判明。
・5日、オーストリアを経由した難民10000人以上がドイツ・ミュンヘンに難民が到着。その後20000人を超える。5日には大勢の市民が駅で出迎えた。ドイツの世論調査では「政府の難民への対応は不十分」という意見が53%。
・13日ドイツはオーストリア国境での入国審査を一時的に再開(シェンゲン条約により、通常は国境での審査はない)。難民のドイツへの集中を避けるための措置。
・14日ハンガリーセルビアとの国境に設置した鉄条網をフェンスに強化。唯一の徒歩入国ルートである鉄道線路も封鎖した。難民らはセルビア側への滞留を余儀なくされている。15日からは新法を適用。不法入国を懲役にし、国境での武器使用も可能とするもの。
 
・各国が相次いで難民の受け入れ増大を表明。アメリカは1年で10000人、フランスは2年で24000人、イギリスは5年で20000人。カナダ・ケベック州は年内で3650人、オーストラリア12000人、ベネズエラ20000人、チリ100家族など。バチカンローマ法王は日曜の説法で、欧州の各教会・修道院などに難民の受け入れを求めた。サウジアラビアUAEなど湾岸のアラブ諸国は難民受け入れを認めていない。
・6日イスラエルのネタニヤフ首相はシリア難民を受け入れないと表明。隣国ヨルダンとの国境にフェンスを建設。
・日本は法務省が難民としての保護対象としてアフリカ圏などでの女性への虐待など「新しい形態の迫害」という項目を加えた。紛争からの避難者は難民として認定されておらず、「紛争退避機会」として人道的配慮のもと、1年ごとの在留許可を申請することで認める方針。また申請者には「就労目的」が多いとして、審査を厳格化する。日本は先進国中もっとも厳格な難民審査といわれ、シリア難民の受け入れはこれまで3人。
 
・対ISの有志連合で、シリアに対する空爆を行っていたのは、アメリカ、カナダや湾岸諸国であったが、この数週間でトルコ、イギリス、フランス、オーストラリアなどが空爆を開始している(下記)。
 
・13日ギリシア沖で難民船が転覆。34人が死亡。
 
[IS/シリア・イラク]
・29日トルコが対ISの有志連合に参加することを発表。28日にシリアのアレッポ地方に行った空爆を継続する。
・7日イギリスは対ISでシリア国内に無人機による空爆。3人を殺害。これまでイギリスの空爆イラク領内で行われ、シリアでは初。フランスもシリアに対する空爆の準備を表明した。
・9日オーストラリアは対IS作戦でシリアに空爆。これまではイラク領内のみの活動であった。政府は「集団的自衛権の行使」としたが、野党からは「該当しない。中東情勢を悪化させるだけだ」と批判が高まる。
 
・ISは独自の金銀銅貨を鋳造し、発行したことをネット動画で発表した。
・ISのネット上の機関紙で、中国人・ノルウェー人の人質に身代金を募る広告形態の記事が発表される。また「ボスニア・マレーシア・インドネシアなどの日本の公館を狙う」という提案がされていた。
 
[その他海外]
・8月31日ウクライナキエフ憲法改正を巡って民族主義団体のデモ隊と治安部隊が衝突。軍の兵士1人死亡。
・4日タジキスタン。国防副大臣がクーデターを実行し、軍の一部が庁舎を襲撃。32人が制圧された。
・6日タイの国家改革評議会が新憲法案を否決。クーデター後の軍事政権から民政復帰に向けた改憲が進められていたが、この憲法案も軍政下で起草された非民主的とされる内容。評議会で可決しても、その後国民投票を経る必要があり、国民に否決される可能性が高いため、政権がそれを避けたものとみられる。
 
・15日オーストラリア与党自由党で党首選挙があり、党内でリベラルとされるターンブル氏が勝利し、首相が交代する。14日ターンブル氏が突然アボット首相に退陣要求して実施されたもの。アボット首相は安倍首相と個人的に親しく、年内に訪日の予定があった。昨年7月の訪日の際は貿易協定であるEPAと、防衛装備移転協定を締結。日本からの潜水艦の導入を進めていた。