日本は「戦争」すると思いますか?

戦争・軍事と日本の距離をニュースウォッチしています。

2016.9.19改訂版アンケート/国会前

2016.9.19(月)14:30~16:00
国会正門前「戦争法廃止・総がかり行動」付近にてアンケート実施
今回は白地図を提示して「自衛隊武力行使について、どのようなイメージか聞かせてください」という形式に変更。雨のためもあり、2名のみの回答。
質問方法を変えたせいもあるかもしれないが、1年前は同様の行動においては、かなり大勢の方がアンケートに関心を持ってくださったのだが(雨でも)、今回は多くの方が、目をそらさんばかりの無関心。安保法成立前と後の回答の変化を知りたかったのだが、思わぬところに変化が出てしまった。
 
回答内容(2名):
「(他国への武力行使、戦争という定義については保留したい、としたうえで)南スーダンでは民間人誤射が起こりえると思う。この場合、武力行使に当たるのではなく、現状では撃った自衛隊員が日本の刑法で裁かれるのではないか。そのために改憲が必要であるという議論もある。
また、自衛隊の装備が、これまではバーチャルな、実戦に対応しない装備内容だったということが、過去には雑誌「軍事研究」などに書かれていた。アメリカの在庫がだぶついたものを買わされたというような。それが最近では北朝鮮に高速で往復できるような航空機といったリアリティのある装備が導入されている、と、FBで見たおぼえがある」
 
南スーダンでは武器の使用が突発的に起きる。(基地周辺に)踏み込まれて応戦し、気づいたら市民も巻き込むような事態が発生する可能性がある。戦争というのはそういうところからおきる、やろうやろうと思ってやるものではない」
 
ご協力くださった方、雨の中ほんとうにありがとうございます。
1年前には、このような安保法制反対行動での取材において、ほとんどの回答が中東方面であり(街頭では中国も多い)、南スーダン北朝鮮に言及される例はほとんどなかったことを付記しておきます。
 
 
参考:今週のおもなできごと(9.1-14)
[国内/外交]
・1日サウジアラビアムハンマド・ビン・サルマン副皇太子が国賓として来日、天皇、安倍首相と会談・晩餐会。2日稲田防衛相と会談。
・サウジは昨年から多国籍軍を組織した空爆で、イエメンの内戦に介入を続けている。空爆ではクラスター爆弾も使用され、最近でも、8月13日には北部サアダ州における空爆によって子ども10人が死亡。8月15日には、北西部ハッジャ州、国境なき医師団(MSF)が運営する病院を空爆11人以上が死亡。国連人権高等弁務官は、2015年3月から今月までの民間人死者3799人のうち、6割がサウジ連合軍の空爆による、と指摘。
・2日ウラジオストックで安倍首相がプーチン大統領と会談。北方領土問題を含む平和条約締結を促進することで合意。プーチン大統領は12月に来日し、山口県で首脳会談を予定。両首脳はその後G20に参加。
・9月に入って連日中国の公船が4隻づつ尖閣諸島日本海域を航行。G20後の日中会談では偶発的事態を避けるための「海空連絡メカニズム」の早期運用が協議されたが、時期は未定。尖閣諸島のガス田の共同開発についての交渉も再開することを確認。
 
[国内/沖縄]
・1日日米政府は普天間基地オスプレイMV22の訓練の沖縄県外に移設促進するため日本側が費用負担することで合意。12日からグアムなどで行う米軍の単独の訓練には普天間から16機のオスプレイが参加、燃料費など7億円を日本が負担する。
・13日沖縄・高江でのオスプレイ運用ヘリパッド工事に対し、住民らが座り込みで道路封鎖を行っているため、防衛省陸自のヘリを使って上空から2機の工事車両を搬入。こうした目的での自衛隊使用は異例。
 
[北朝鮮/米韓]
北朝鮮から軍事支援を受けてきたアンゴラが、国連安保理の要請を受けて北朝鮮との取引を停止。シンガポールはビザの受理を中断。マルタは北朝鮮の労働力受け入れを停止している。
・4~5日中国・杭州G20。韓国は、対北朝鮮での、米国のミサイル防衛システムTHAADの配備の必要性を韓国が主張し、理解を求めるが、中国はまったく応じず。
・5日北朝鮮が西岸の黄海北道から中距離弾道ミサイル・ノドン3発を発射。日本の排他的経済水域奥尻沖に落下。発射を金正恩主席が視察したとの報道も流れた。
・9日北朝鮮建国68周年。豊渓里で06年から数えて通算5回目の核実験。北朝鮮核兵器研究所は「ミサイル搭載の性能と威力の最終確認ができた」としている。ラオスで開催中の拡大ASEANにおいて韓国・朴大統領は「過去とは異なる厳しい安保状況」であるとし「狂的な無謀さ」と表現した。中国外務省は「地域の平和と安定が著しく損なわれている」としたものの、具体策については言及せず。
北朝鮮は8月29日から9月2日にかけての台風10号の被害で、12日時点で死者138人確認、行方不明4000人、40万人が救助待ちといわれている。
・12、13日韓国・ソウルで米韓統合国防会議。韓国側がアメリカの「核の傘」の確実な保障を求め、同盟国への攻撃に対して、自国と同等に各能力も含めた反撃を行う「拡大抑止」の公約を求めた。
・13日アメリカ太平洋軍が核搭載可能な戦略爆撃機B1Bを韓国に派遣。グアムから烏山空軍基地付近を飛行した。北朝鮮の核開発に対する牽制と、韓国国内での独自核保有論に対する押さえ込みか。
 
[シリア/トルコ]
G20において、シリアのクルド人組織PYDに対して越境空爆を続けているトルコのエルドアン大統領はアメリカに対し、「ISもPYDもテロ組織と見なし、攻撃を続ける」と主張。PYDがISから奪還したシリア西部マンビジュを撤退していないことに不服。7月のクーデターの主導者であるとしているアメリカに亡命中のギュレン師の引渡しを要求。
G20米ロ会談ではシリア停戦の合意できず。
・5日シリア・ダマスカスやホムスなどの4ヶ所で爆発、48人以上が死亡。
・6日シリア・アレッポでヘリから塩素ガス弾が投下され、120人以上が負傷。同地域でヘリ攻撃能力を持つのは政権軍だけ。アサド政権については2014,15年にも化学兵器を使用したと国連の調査で結論づけられている。アサド政権は否定している。
・12日から米ロはシリア全域での停戦に合意。10日イドリブ、アレッポで市場などに対する空爆、90人以上が死亡。12日にもアレッポ空爆
 
・2日フィリピン・ミンダナオ島ダバオで爆発、14人以上が死亡。ISに忠誠を誓う過激派アブサヤフが犯行声明。ダバオはドゥテルテ大統領の故郷。検問や外出に門限を設け、大統領が軍の指揮を取る「無法状態」を宣言。
い声明。
・6日ラオスASEAN関連首脳会議。オバマ大統領はアメリカ大統領として初のラオス訪問。ブンニャン主席と会談し、ベトナム戦争時のアメリカの空爆による不発弾処理を約束。空爆については謝罪せず。
オバマ大統領は政策として検討していた核の先制不使用を、議会や関係国(日本を含む)などの強い反対のもと取りやめ。
・12日南シナ海広東省沖で中国とロシアが合同軍事演習「海上連合2016」を開始。対潜水艦訓練、上陸訓練などを行う予定。同海域での演習は初めて。
・12日フィリピン・ドゥテルテ大統領は演説でミンダナオ島に駐留している米軍に対し「アブサヤフなどテロの標的となり、事態を悪化させる」「一緒にいるかぎり平和は訪れないので、出て行かなくてはならない」と言及。米軍との海洋パトロールにも不参加を決定。
・14日アメリカとイスラエル両政府は、2018年からの3年間でアメリカが380億ドルの軍事支援を行うことで同意。支援費用はアメリカからの武器調達に当てること、50億ドルはミサイル防衛に使うことなどが決まった。