日本は「戦争」すると思いますか?

戦争・軍事と日本の距離をニュースウォッチしています。

今週のおもなできごと(10.2-9)

 

おわびとお知らせ:
「日本は戦争すると思いますか?」のシールアンケートの結果まとめとして運営している本サイトですが、取材者の都合により、これまでの1~2週に一回ペースでのアンケート採取ができなくなりました。アンケート結果の掲載はしばらくお休みしますが、今後も随時アンケートは行う予定ですので、その際の参考のため、日本と世界のニュースのまとめだけは定期的にアップしていきます(1~2週間に一回程度)。
 
参考:今週のおもなできごと(10.2-9)
 [国内]
・4日政府は「南スーダンPKO自衛隊員がジュネーブ条約での捕虜となることはない」とした国会答弁を閣議決定ジュネーブ条約は戦争時に他国兵士が拘束された場合に適用されるもので、日本の自衛隊は安保法制上は停戦合意が成立しているところでしか活動しないことになっていることを論拠としている。ジュネーブ条約は捕虜に対する拷問や殺害の禁止などを定めている。
・8日稲田防衛相が南スーダンへ。「隊員が安全を確保できるか、11月からの派遣部隊に駆けつけ警護などの新任務を付与する判断の一助として」との名目。視察結果「治安が落ち着いていることを見ることができた」と報告。現地では7月に大規模な戦闘があり、キール大統領から再度追放されたマシャル副大統領が近隣国から武力抵抗を宣言しており、和平合意は完全に崩壊したと見られている。
 
・8日菅官房長官は沖縄・北部訓練場の年内返還に向けて米軍との交渉を進めると発言。条件としては建設中の高江ヘリパッド4ヶ所が完成し、年内にオスプレイなどの離発着拠点の機能を高江に移すことであるとしている。
 
[シリア]
・3日アメリカ・ロシアのシリア停戦合意が実質破綻。先月12日に発効したシリア停戦は、19日シリア・アサド政権が停戦終了を宣言。アメリカはロシア・シリアが停戦合意に反して空爆を行ったとしており、ロシアはアメリカがヌスラ戦線などの反政府勢力を支援しているとして、互いに非難の応酬。アメリカが停戦協議の打ち切りを通達した。9月19日から10月3日までシリアでは2000回以上の空爆、少なくとも406人の民間人が死亡。空爆にはオスロ条約で禁止されている「たる爆弾」やクラスター弾、地中貫通型爆弾などが使われている。
・3日シリア北東部ハサカでクルド人の結婚式に対して自爆テロ。30人以上が死亡。ISが犯行声明。
・5日シリア北部バーブ空爆。14人以上が死亡。トルコ軍の戦闘機か。
・8日国連安保理でのシリア空爆停止決議は、ロシアが拒否権を発動したため採択されず。
 
[核軍縮]
・3日国連の核軍縮協議がはじまる。メキシコなどが主導する核兵器禁止の作業部会は、核兵器禁止条約の総会決議を求めているが、アメリカは「長年の核軍縮の取り組みを分裂させるものだ」として、作業部会の報告書を拒絶。他国へも拒絶を求めていく方針を明言。
・5日国際司法裁判所はアメリカの原水爆実験の被害国であるマーシャル諸島が、核保有国9ヶ国を相手どって「核軍縮交渉の義務を果たしていない」とした訴えを、「裁判所は審理できる立場にない」として退けた。
 
・2日ハンガリー、EUの難民受け入れ分担についての国民投票。反対が僅差で上回ったが、投票率が43%で不成立となる。投票は難民受け入れを拒む右派政権が実施したもので、不成立であっても、受け入れ拒否を国内世論として政権運営を進めていく見通し。
・3日アフガニスタン・クンドゥズでタリバーンが猛攻。
・8日イエメンでフーシ派の関係者の葬儀に対して空爆。140人以上が死亡。イエメンではサウジアラビアが諸国連合を率いて内戦に介入し、空爆を続けている。
・9日ミャンマーバングラデシュと国境を接するラカイン州で武装集団が国境警察施設など3ヶ所を襲撃、警官9人が死亡、51丁の銃が奪われた。イスラム系のロヒンギャ族の犯行か。
 
[コロンビア和平]
・先月26日にコロンビア政府と左翼ゲリラFARCの52年に渡る内戦状態の和平合意がなされ、2日に是非を問う国民投票が行われる。反対が上回り、和平合意文書の効力停止に。FARCに対する刑罰が軽減されることや、政治参加を認めることに反対する意見が根強い。
・7日ノーベル平和賞がコロンビア・サントス大統領に決定。国民投票の否決はあったが、和平プロセス前進への後押しの趣旨と思われる。これまで、和平合意の当事者に対してノーベル賞を授与するときには、紛争当事者の双方に与えるケースが多かったが、FARCに対しては国民感情に配慮したためか、授与されなかった。FARC司令官は「我々が切望する唯一の賞は報復やウソがない社会正義をともなうコロンビアの平和である」とツイート。一方、ウリベ前大統領は和平反対の立場を貫いている。サントス大統領はウリベ政権時代の国防相で、市民殺害を指示したとして、国民の一部からは受賞が不適切であるとの意見もあがっている。