今週のおもなできごと(21.1.20-2.17)
・1月22日国連核兵器禁止条約が発効。
・27日アメリカの科学誌ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ誌が毎年作成している「終末時計」が発表され、昨年と同じ「あと100秒」。気候変動や13000発の核爆弾に加え、科学の軽視や陰謀論の蔓延があらたに加えられた。
[アメリカ]
・20日ワシントン、バイデン新大統領就任式。トランプ氏は慣例に反して就任式に列席せず、アーリントン基地で独自に式典を行い、その後フロリダの別荘へ。6日の議事堂襲撃から州兵25000人の警備体制が取られ、列席は2000人に制限された。トランプ支持者の間では、就任式に抗議行動をおこなうツイートなども流れていたが、実際には一人しか来なかった。
・岸防衛相はオースティン新国防長官と電話協議。日米安全保障条約5条、アメリカの防衛義務が尖閣諸島にも適用されることを確認。3月末に期限が切れる「おもいやり予算」の継続、普天間基地の辺野古移設が「唯一の解決策である」ことを確認。
・2月9日第七艦隊原子力空母ニミッツ、セオドア・ルーズベルトを中心とする空母打撃群が南シナ海で演習。バイデン政権では初。
・11日バイデン大統領と中国・習主席が電話協議。香港・ウイグル・台湾に対してバイデン氏が「根本的な懸念」を表明したが、中国の内政であるとはねつけられる。COVID-19、気候変動、兵器拡散防止については一部で前向きな意見交換。
・13日下院から出されたトランプ前大統領の弾劾裁判が上院で無罪に。賛成57人のうち共和党は7人。
[国内]
・31日鹿児島県西之表市長選で馬毛島基地反対を訴えた現職が再選。投票率80.17%。無人島の馬毛島に自衛隊基地を新設し、米空母艦載機のFCLP陸上発着訓練をおこなう計画。2月18日防衛省が馬毛島の環境アセスを開始。2年程度の見通し。
・16日沖縄県議会で玉城知事が所信表明演説。「日本全体の在日米軍のうち70.3%が沖縄にある現状から、まず50%をめざす」と表明。知事が数値目標をあげるのは初めて。現在日米で合意している返還計画がすべて実施されても、70.3%は69%にしかならない。
・昨年11月に陸上を断念し、洋上でのイージス展開を検討したデータで、洋上の場合は年間の稼働率が126日であったことが判明。陸上の場合は年365日稼働の見通しだった。
・16日横須賀・佐世保での米軍艦船の汚染水処理を受注している業者が未処理のまま海洋投棄していたことで、ワシントン大陪審から起訴される。神奈川県の産廃事業者で、2007年ごろから米海軍と総額1億2500万ドル(127億円)の契約を結んでいる。
[韓国/北朝鮮]
・2月1日韓国産業通商資源省が2018年の南北首脳会談直後に、北朝鮮への原発支援案の文書を作成していたことを国内報道に公開。「北朝鮮地域原発建設推進方案」として、咸鏡南道やDMZに原発の新設、韓国側に新増設した原発からの送電などが計画されていた。同省は「アイデア段階だった」としている。
・2日韓国の防衛白書(2年に一度)が出される。北朝鮮の短距離ミサイルスカッドと中距離のノドン、ムスダンは実戦配備されており、ミサイル運用旅団は9から13に増強、保有プルトニウムは前回の白書と同じ50kgとしている。
・22日中国・全人代常務委員会で「海警法」が可決。自国の警備エリアとして、「管轄海域」というあいまいな概念が策定される。
・23日ロシア。毒殺未遂で療養していたドイツから17日に帰国し、即拘束された反体制活動家のナバリヌイ氏の解放を求めるデモが全土に広がる。全111都市以上で、3500人以上が拘束される。31日までには88都市5414人拘束。2月2日ナバリヌイ氏の審理開始。2年8ヵ月の収監が求刑される。