日本は「戦争」すると思いますか?

戦争・軍事と日本の距離をニュースウォッチしています。

今週のおもなできごと(2017.1.21-1.31)

 

おわびとお知らせ:
「日本は戦争すると思いますか?」のシールアンケートの結果まとめとして運営している本サイトですが、取材者の都合により、これまでの1~2週に一回ペースでのアンケート採取ができなくなりました。アンケート結果の掲載はしばらくお休みしますが、今後も随時アンケートは行う予定ですので、その際の参考のため、日本と世界のニュースのまとめだけは定期的にアップしていきます(1~2週間に一回程度)。
 
参考:今週のおもなできごと(2017.1.21-1.31)
[アメリカ・トランプ政権の政策と、世界の反応]
・21日トランプ大統領就任に抗議するデモが全米や世界各地で。ワシントンでの「女性デモ」は50万人規模。演説した歌手のマドンナ氏が「ホワイトハウスを爆破しようと思った」と発言。
・21日トランプ大統領就任を受け、EU各国の右派政党がドイツ・コブレンツに結集。EU議会内の会派「国家と自由の欧州」の呼びかけによるもので、参加したのは、オランダ・ウィルダース自由党党首、フランス・ルペンFN(国民戦線)党首、ドイツ・ペトリAfD(ドイツのための選択肢)党首、イタリア・サルビーニ北部同盟代表ら。「アメリカに続き、2017年は大陸欧州が目覚める」と宣言し、反難民、反EUでトランプ大統領に連動していくことを確認した。フランス・オランダでは今年前半に大統領選挙。
 
・22日アフガニスタンタリバーンが米軍撤退を要求。トランプ大統領は駐留部隊に対し「我々は戦い続け、勝利する」と撤退論を封印する激励。
 
・25日大統領令として、選挙時から宣言していた「メキシコ国境に壁を建設」が発せられる。メキシコのペニャニエト大統領はメキシコが壁建設費用を負担する、というトランプ大統領の主張を拒否。31日に予定されていた首脳会談を中止。トランプ氏はメキシコからの関税を上げることで費用に充当する、という発言にシフト。
・28日イスラエル・ネタニヤフ首相がツイッターで壁建設を絶賛。イスラエルの企業マガル社が、壁建設とセキュリティ・システムの受注有力と見なされている。同社は、イスラエルによる、パレスチナヨルダン川西岸地区の分離壁を建設している。
 
・27日イギリス・メイ首相が訪米し、トランプ氏と初の首脳会談。これまでトランプ氏が軽視していたNATOの重要性を確認した。ロシアのクリミア併合政策に対し、イギリスは制裁を続ける方向だが、トランプ氏の同意は得られず。
 
・28日NSC(国家安全保障局)の人事が決まる。これまで非常任であった主席戦略官が常任委員となり、バノン氏がNSC入り。右派ネットニュース・ブライトバードの運営者で、行政経験のないバノン氏のNSC入りには軍部からも不安の声があがる。
 
・27日難民受け入れ停止と、イスラム圏の7ヶ国に90日間の入国ビザ制限を発表。対象はシリア、イラク、イラン、リビアソマリアスーダン、イエメン。28日国内線を含む搭乗拒否がはじまる。各地の空港で反対デモ・座り込みが起きる。
・30日、全日空日本航空が、IATAの通達を受け、日本の空港発アメリカ行きの国際線で対象国の旅客の搭乗を断る方針を開始。
・30日、この大統領令に対し「合法という確信がない」「大統領を弁護しない」と発言したイェイツ司法長官代理をトランプ氏が解任。イェイツ氏はオバマ前大統領の閣僚で、トランプ氏が指名している右派のセッションズ氏が就任するまで、代行として職務を継続していた。
ワシントン州をはじめ、各地で州司法長官などが大統領令に反対や疑問の声明。国務省内で大統領令に疑義を呈する署名が900筆を超える。
・EU各国・国連が反対を表明。フランスの外務大臣は訪問先のイランで「差別的であり反対」と明言。
・ロイターによる世論調査では受け入れ停止の大統領令に賛成が49%、反対41%。共和党と民主党の支持者で結果が明確に分かれる。
 
・29日イランが弾道ミサイル実験。核搭載能力のあるものであるという指摘に対し、イラン側は核実験であることを否定。
・31日イラン、大統領令への対抗措置としてアメリカへのビザ発給停止。イランのバスケットボール・リーグに所属するアメリカ人選手が入国できず。
 
・27日「米軍再建」の大統領令。一ヶ月で危機に対する即応性を検証し、艦船や戦闘機に加え、核兵器ミサイル防衛を強化する方針。
・29日韓国・黄首相(大統領権限代行)と電話会談。韓国の防衛力強化と、アメリカの「核の傘」の維持を確認したとされる。トランプ氏は選挙中、「核の傘」に批判的で、日本と韓国の核武装を容認する発言。
・29日イエメンでアルカイダ系の武装組織の施設に対する掃討作戦を行っていた米軍部隊で、兵士1名が死亡。トランプ政権初の戦死者。アルカイダ側は14人以上が死亡。
 
・26日アメリカ「プレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」誌が発表している「終末時計」が2年ぶりに30秒進んで更新される。世界の終末を0時と設定したもので、今回23:57’30となった。北朝鮮の核実験や、核武装容認のトランプ大統領就任による。世界終末まで2分半というのは、冷戦時以来最悪の予想。
 
[国会での首相答弁]
・24日衆議院本会議で民進党の代表質問に対し、安倍首相は「ISに対する軍事作戦には、政策判断として参加しない」と従来の答弁を踏襲。
・25日トランプ政権下の日米同盟に関する維新の代表質問に対し、「防衛力を強化し、自らが果たしうる役割を拡大する」と答弁。
・28日トランプ大統領と安倍首相が電話会談。安倍首相は「日本との関係性の重視を確認した」とし、2月10日の訪米日程を発表。
・30日参議院予算委員会民進党のトランプ氏の難民受け入れ停止と入国拒否政策についての質問に対し、「コメントする立場にない」と答弁。
 
・21日沖縄・伊計島の農道に米軍のヘリが不時着。人的被害なし。県は米軍に抗議。
・26日自衛隊とイギリス軍の「物品役務相互協定」にロンドンで双方が署名。弾薬や食料、燃料などを互いに貸与・譲渡する協定で、アメリカ、オーストラリアに続いて3ヶ国目。
 
・25日韓国・慶尚北道の道知事がヘリコプターで竹島に上陸、警備隊員を激励。
・25日中国商務省が対北朝鮮の新たな輸出禁止・制裁項目を発表。核を含む兵器開発関連の設備など、100項目以上。
・27日米研究グループ「38ノース」が北朝鮮寧辺黒鉛原子炉が再稼働した可能性を発表。2015年以来稼働していなかったもの。プルトニウム生産体制に入ったと見られる。
 
・21日トルコ国会で、大統領に権限を集中させる改憲案が承認される。4月に国民投票の予定。
・23日カザフスタン・アスタナでシリア和平協議。ロシア・トルコが主導し、アメリカは参加せず。
・24日イラク政府軍は昨年10月より、ISからの奪還作戦を行っていたモスルの、東半分を解放したと宣言。西半分には75万人の市民が残っているとされる。
 
・25日ソマリアの首都モガディシオで武装集団がホテル襲撃、28人以上が死亡。ソマリアのIS系勢力シャバブが犯行声明。
 
・29日カナダ・ケベック州のモスクで乱射事件。6人が死亡。当初2名の容疑者が逮捕され、地元メディアは「モロッコ系」「犯行時アラーは偉大なり、と叫んだ」と報道。その後の調べによりひとりは目撃者だったことことがわかり、単独犯に切り替え。犯人は地元出身の大学生で、トランプ氏やフランスのルペン氏に傾倒、ネットで移民排斥などのヘイト発言を繰り返していたとされる。カナダ・トルドー首相は28日トランプ氏の大統領令に対し、「カナダは難民を歓迎する」とツイートしたばかり。