11月
・3日岸田首相がマレーシア、フィリピンを外遊。フィリピン・マルコス大統領との会談で自衛隊と軍の「円滑化協定」の正式交渉入りで合意。「準同盟級」の位置づけ。
・15日自公の武器輸出に関する実務者協議。これまで米国に限っていたライセンス生産の完成品を他国にも輸出可能にする。パトリオットミサイルなどを想定。17日F15戦闘機の部品は「殺傷能力ある武器」に該当しないとして輸出可能に。
・17日米議会が日本へのトマホークミサイル400発の売却を決議。
・21日北朝鮮が軍事衛星を発射し、軌道に乗せる。日本は当初「ミサイルが複数に分離し、日本海に墜落した」と発表し、Jアラートを発出。韓国が「軍事衛星であり、ロケット2段が北朝鮮の予告どおりフィリピン近海に落下」と発表。韓国・米国は衛星の偵察能力は微弱で、軌道投入の実験であると分析、技術革新にはロシアの支援があったとしている。日本政府は当初衛星と表現せず「軌道上になんらかの物体を投入」としていた。22日韓国は2018年南北合意の「国境での敵対行為の中止」を停止すると発表。北朝鮮は「協力な武力を前進配備する」と応じ、27日DMZに監視所11ヶ所を復元。
・24日公安調査庁のWeb版の「国際テロリズム要覧」が更新され、ハマス、ヒズボラ、クルド人組織PKK、ミャンマーの反政府組織のすべての記載がなくなる。従来はシンクタンクのレポートを元に指定していたが、明確な基準をつくるため国連安保理の制裁リストに準拠することに変更したため。
・26日韓国・釜山で日中韓外相会議。
・29日屋久島沖で米海兵隊オスプレイCV22が墜落。日本政府は当初、乗員は6人「不時着水」と発表したが、翌日8人に訂正。米が「墜落」と発表したことについては「パイロットが最後までがんばったから」不時着水とした、としていたが、米からの報告が「不時着水」であった、と変更。米側は否定。30日米軍にオスプレイ全機種の飛行停止を「安全が確認されるまで」要請したが、米側は「正式要請はない」として、普天間・嘉手納のMV22を52回発着。CV22は飛行停止。2-3日はMV22が救援のため奄美空港に着陸。
・1日ガザ南部・エジプト国境のラファ検問所から外国人と負傷者の出国が認められ、日本人10人を含む421人が脱出。ガザ残留の日本人は1人。UNRWA事務局長が国連関係者として初めてガザ入りを許可される。ガザ保健省発表死者累計8796人、子ども3648人。イスラエル1400人以上。
・3日ラファ検問所からの出国を目指したが断念して引き返す救急車の車列をイスラエルが空爆。15人以上が死亡。上川外相がイスラエル訪問、ネタニヤフ首相に「戦闘休止」を求める。ヨルダン川西岸地区ラマラで自治政府とも会談。6500万ドル(100億円)の供出を約束。米ブリンケン国務長官がネタニヤフ首相に「人道的中断」を求める。死者累計9200人、ガザ地区の家屋45%が破壊される。
・6日バイデン大統領がネタニヤフ首相と電話協議。3日間戦闘を休止し、カタールの仲介により人質の解放をすることを要求したが、ネタニヤフ首相が拒否。死者累計10022人。
・8日シリア東部で米軍が「イランの武器庫」と確認した施設を空爆。紅海イエメン付近ではフーシが米軍のドローンを撃墜。
・11日ガザ地区最大のアル・シファ病院をイスラエル軍が包囲。WHOはこの48時間で停電や攻撃により4つの病院が機能停止し、ガザにある36の病院の半数が使えないと発表。UNRWAは職員の死者が101人にのぼると発表。イギリス・ロンドンでは毎週土曜の停戦要求デモが最大規模30万人に。デモを「ヘイトマーチ」と呼ぶなど、極右発言が相次いだブラバマン内相が更迭。
・13日ハマスの軍事部門・カッサム旅団が5日停戦で70人の人質を解放する提案を発表。シファ病院、クッズ病院などが機能停止。イスラエルはシファ病院の地下にハマスの軍事拠点があると主張。死者累計11240人。
・15日イスラエル軍がシファ病院に突入。ガザとエジプト国境のラファ検問所から燃料の搬入が許可され、23000リットルのガソリンが初めて入る。国連安保理が初めて「戦闘休止」の決議。米英露は棄権。日本は賛成。
・18日WHOとOCHA(人道問題調整事務所)が1時間のシファ病院調査を許可される。少なくとも80人の遺体を確認、「死の領域」と報告。
・19日トルコからインドに向かう日本郵船所有の貨物船をフーシが拿捕。
・24日イスラエルとハマスが戦闘休止。ハマスはイスラエル人13人、フィリピンジン1人、タイ人10人の人質を解放。イスラエルは39人の囚人を解放したが、家族が「祝う」ことを禁じたため出迎えの人たちに発砲。ガザでは北側に戻ろうとした住民に発砲し、1人が死亡。ラファ検問所から196台のトラックが搬入。燃料は禁止された。
・26日アデン湾イエメン沖で英船籍タンカーがソマリア海賊により拿捕。
・9日アメリカ・ブリンケン国務長官が訪韓、北朝鮮、ロシアの軍事協力について協議。13日オースティン国防相が訪韓、オンラインで日本も交えた三者協議。日米観合同訓練のスケジュールを12月に策定することで合意。米韓の北朝鮮対応安全保障協議を10年ぶりに改定。核の使用を想定したものに。
・11~17日APEC首脳会議がサンフランシスコで開催。15日郊外の庭園でバイデン大統領・習主席が会談。国防当局によるハイレベル会合、船舶航行についての協議を再開させることで合意。16日日中首脳会談。「戦略的互恵関係」の包括的推進で合意。
・15日北朝鮮とロシアが協力拡大の議定書に調印。
・22-25日金委員長が軍事衛星管制所を訪問。衛星は運用を開始し、在韓米軍、ハワイ・グアムの米基地撮影に成功したと主張。韓国・アメリカは衛星の実用性に懐疑的。
・26日北朝鮮で地方選挙。1947年以来ほぼ初めてとなる複数の候補者が立ち、予備選が実施される。
・10日ヘルソンでロシアのトラックに攻撃。ロシア兵70人が死亡。
・19日ロシアの支配地域ドネツク州クマチョベでのロシア軍慰問コンサートにミサイル。兵士25人とロシア人女優1人が死亡。
・24日フィンランドがロシアの「難民送り込み」に対抗して1ヶ所をのぞき国境を閉鎖。
・25日キーウにドローン攻撃。75機のうち71機を撃墜。
・16日スペイン下院で首相選定投票。左派のサンチェス首相の続投が決まる。
・19日アルゼンチン大統領選の決戦投票で親米極右ミレイ氏が当選。BRICSへの加盟に反対し、自国通貨を米ドルにする、「気候変動は左翼の陰謀で存在しない」と公言している。
・22日オランダ総選挙で極右・自由党PVVが第一党に。