日本は「戦争」すると思いますか?

戦争・軍事と日本の距離をニュースウォッチしています。

今週のおもなできごと(2017.8.30-9.14)

おわびとお知らせ:
「日本は戦争すると思いますか?」のシールアンケートの結果まとめとして運営している本サイトですが、取材者の都合により、これまでの1~2週に一回ペースでのアンケート採取ができなくなりました。アンケート結果の掲載はしばらくお休みしますが、今後も随時アンケートは行う予定ですので、その際の参考のため、日本と世界のニュースのまとめだけは定期的にアップしていきます(1~2週間に一回程度)。
 
参考:今週のおもなできごと(2017.8.30-9.14)
・3日北朝鮮が北部豊渓里核実験場で、ICBM搭載用の水爆実験に成功したと発表。核実験は6回目。160tキロの爆破エネルギーと推測される。
・9日北朝鮮が69回目の建国記念日。労働新聞の一面社説では「核強国」であることを強調。式典ではロシア、キューバなどから祝電はあったが、中国は祝電も要人出席もなし。
 
[日本]
・9月1日東京・墨田区横網公園で、関東大震災の死者を追悼する「東京都慰霊堂大法要」が開催。同園内で同時に行われる震災時のデマなどで虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式典には、例年東京都知事がメッセージを送っていたが、小池都知事は中止。記者会見で、小池都知事は「民族差別という観点より災害で亡くなられた方々、様々な被害によって亡くなられた方々への慰霊をしていくべき」と、中止理由を語った。
・式典当日は横網公園内では「朝鮮人犠牲者の数が過大」「虐殺ではない」とする団体による震災被害者の慰霊行事も行われた。
 
・2018年度の防衛省の予算請求額は5兆2551億円となる。過去最大で当初請求額から(前記事「前年度から」は誤り)2.5%の増。いったんは導入を見直す方針だった無人機「グローバル・ホーク」を、再び3機の導入継続に戻し、予想される導入費用も510億から630億円に拡大。
・8月30日からイギリス・メイ首相が来日。海上自衛隊護衛艦いずもに乗艦したり、非公開である国家安全委員会NSCに招待されたり、日英の軍事協力をうながす内容も。
・8月31日航自衛隊F15、米空軍のB1B、F35Bが九州空域で共同訓練。F35Bステルス機の参加ははじめて。
・9月1~6日横須賀基地に所属する米空母ロナルド・レーガンの艦載機が厚木基地で模擬着艦訓練を行う。タッチ・アンド・ゴーを繰り返す同訓練は、騒音がひどいとして硫黄島での訓練が通常実施されていたが、2012年以来5年ぶりの厚木での実施となった。神奈川県は抗議。
 
ノーベル平和賞受賞団体である国際平和ビューローIPBが選定する「ショーン・マクブライト平和賞」は、辺野古新基地に反対するオール沖縄会議に満場一致で決定。「たゆまぬ軍縮への努力と、軍事化・基地に反対する非暴力的な必死の頑張り」が評価された。
 
・3日竹下亘自民党総務会長が、党広島県連の会合で、先月の北朝鮮のグアムに向けたミサイルの通過予告について「広島は人口が多いが、島根に落ちても意味はないと思った」と発言。竹下氏は島根選出。
・5日北朝鮮核実験問題で、国会閉会中審査。河野外相は追加対応を検討するむねの答弁をしたが、安保理の議論が行われているため即決は避けるものとした。
・5日河井自民党総裁外交特別補佐が、インド・ニューデリーの講演で「自衛隊も中距離弾道ミサイルや巡航ミサイル保有を検討すべき」と発言。インドと日本は原子力協定、防衛装備協定を立て続けに結んでいる。
・6日~8日アントニオ猪木参議院議員(日本のこころ)が、32回目となる北朝鮮訪問。労働党副委員長と会談。
 
・12日自民党憲法改正推進本部の全体会議。安倍総裁が提案している「9条に自衛隊を明記する」改憲案を、条文を作成して提示、臨時国会で党の案を国会に示し、来年の通常国会で発議する日程で、意見をまとめる方向に。従来の自民党改憲案にのっとり、戦力非保持と交戦権の否定を書いた9条2項の削除を求める意見が続出し、会議は紛糾した。
 
・14日安倍首相はインドでモディ首相と会談。防衛・安全保障での協力強化と海上共同訓練の拡大で合意したが、売り込み交渉をしているUS2救難飛行艇の購入はインドが難色を示し、決まらず。
海上自衛隊が今月5日以降、日本海で米イージス艦に給油活動を複数回行っていたことが判明。補給艦ましゅうなどがミサイル警戒にあたっている米海軍のイージス艦などに実施、安保法制の後方支援に基づくものだが、同法により政府からは正式発表はなされなかった。
 
[米韓]
・8月30日韓国国防相が、米ワシントンでの米韓国防相会議で在韓米軍の戦略爆撃機の増強と、核の再配備を求める声があること、韓国軍による独自の原子力潜水艦の開発について発言。
・21~31日に実施された最大の米韓合同演習「乙支フリーダム・ガーディアン」で、米軍の核搭載能力を持った戦略爆撃機B1Bの参加を韓国が拒否していたことが報道される。
・7日韓国に残る4基のTHAADが南部慶尚北道に追加配備、数日以内に稼働開始。韓国政府は暫定的な配備であるとしているが、反対する住民と警官隊が衝突。また、中国とロシアは批難を表明。
・14日韓国・文大統領が北朝鮮に対して国連機関を通じて800万ドルの人道支援をすることを表明。人道支援は制裁の対象外であり、WFPの栄養強化プログラム、ユニセフのワクチン・医療プログラムを検討。いずれも妊婦と幼児対象。人道支援は2015年12月に80万ドルの支援を行ったのち、翌年1月の核実験を受けて停止していた。
・15日安倍首相は日韓電話協議でこの対応を「圧力を弱める」として問題視。文大統領は「政治的状況と人道支援は関係ない」としているが、国内では野党の反発も。
・14日文大統領は米CNNのインタビューで「韓国も核開発を行う、在韓米軍の戦術核再配備という考え方には同意できない」と語る。
 
[ロシア]
・6~7日ロシア・ウラジオストックで東方経済フォーラム、韓国、日本も参加。北朝鮮が2年ぶりに代表団を派遣。6月に北朝鮮が鉄道事業での協力をロシアに依頼していたことが判明。   
ウラジオストック北朝鮮北部・羅先を結ぶ定期航路が運行停止に。今年5月にはじまり、ロシア企業が北朝鮮万景峰号を使用して運行していたものだが、ウラジオストックの港湾管理局から多額の使用料を請求され、払えなかったため。
 
・6日アメリカが安保理事国に制裁強化案を提出。石油の輸出全面禁止、国外派遣の労働者の雇用禁止、在外資産の凍結などが盛り込まれた。ロシア・プーチン大統領は対話を要求、中国も慎重姿勢だったが、11日に全会一致で可決。
・7日メキシコは北朝鮮の大使に国外退去命令。メキシコは国連での核兵器禁止条約推進のリーダー国のひとつであり、核実験に抗議してのもの。
 
・5日ミャンマー、アウンサン・スーチー国家顧問が、バングラデシュ国境付近のイスラム少数民族ロヒンギャ迫害についての画像の投稿について「偽情報がテロリストを助ける」と発言。トルコ、エルドアン大統領との電話会談において、エルドアン氏の「行き過ぎた武力行使を控えることを求める」との発言を受けて。トルコはイスラム教国であるが、少数民族クルド人の迫害について国際的に批判されている。
・8日国連難民高等弁務官事務所UNHCRがロヒンギャは村の焼き打ちなどにより、バングラデシュへ27万人が逃れたと発表。
・8日インドネシア・ボロブドゥールでイスラム至上主義団体FPIが抗議の集団礼拝。
・13日国連グテーレス事務総長がロヒンギャ問題を「人口の3分の1が国外に逃亡している状況は民族浄化と表現するしかない」「人道状況は危機的」と取材に語る。同日の国連総会をスーチー氏は欠席。
 
・7日イスラエルがシリア中部ハマのアサド政権軍をレバノン空域から攻撃。数発のロケットを発射し、軍関係者2人が死亡。
・14日イラク南部ナシリアで武装集団がレストランを銃撃、検問所を爆破などの多発テロ。ISが犯行声明。
 
・1日コロンビア、1964年に結成されて以来反政府闘争を続けていたが、今年6月に和平合意を受けて武装解除した左翼ゲリラFARCが、合意内容にもとづき合法政党としての活動を開始。名称は「市民の新たな革命勢力」で、略称は同じFARC
・4日コロンビア政府は反政府ゲリラ組織「民族解放軍ELN」と、10月1日から1月12日までの停戦合意。ELNは現在活動勢力が2000人弱。